映画『三十九夜』サスペンスの全てが詰まった約85年前の作品!
こんにちは☆lenoreです。
今回は、ヒッチコック監督のイギリス時代の代表作映画『三十九夜』について書こうと思います。
1935年(今から85年前!)の映画ですが、ストーリーに全く古さを感じず、
「こんなにスケールの大きい作品を作れるなんて…すごい😳」と驚きました!
逃げて逃げて、また逃げて…応援したくなるポイント
この映画では主人公ハネイが、劇場→自宅→電車→橋→田舎町の民家→教授の家…とにかく逃げて逃げて逃げ続けます💨
なぜそんなに逃げ続けなければならないのか?
その理由は、ヒッチコックの他の作品『逃走迷路』『北北西に進路を取れ』と同じように、誤解された・間違えられた・よく分からないうちに巻き込まれちゃった…系の、
本人に非が全く無いもの=無実なんです😭可哀想に…
ハネイの場合は、劇場である女性に助けを求められそのまま自宅へ連れて行ったら…その女性の正体はまさかの諜報員(スパイ)。
彼女がしていたのは悪い方の諜報活動ではなく、他国の諜報員がイギリスの国家機密を盗もうとしているのを阻止するという大事な任務を負っていたところ→他国の諜報員に逆に狙われる羽目になり、ハネイに助けを求めたのでした。
何の気無しに彼女をかくまっちゃったことから、とんでもないことに巻き込まれていくんですけど…
超絶イケメン外交官な上に、女性に優しいジェントルマン、その上無実なのに誰も信じてくれないハネイ…
これは応援したくなりますよね😭😭
“不安にさせる”カメラの構図!
この映画のカメラの構図、観ていて非常に印象に残りました✨
ヒッチコックの他の作品でもそういうシーンあるかなと思うんですが、
●同じ箇所をじーっと(時には画面いっぱいにパッと)映す
●画面中央には持ってこずに、少しずらして映す
こういった撮り方によって、観ていて「ハネイ…なんか大丈夫?…悪いこと起きる?」と、より不安な気持ちを掻き立てられました。
特に、
●映画冒頭、劇場チケット購入シーンをまっすぐに映さない=ちょっと斜め、男の影と手元だけ見える
=「この人悪い人?いい人?どっち?!」って気分にさせる!
●追ってくる2人組の男たちを、画面左端、街頭の灯りで見えるか見えないかのところに配置して映す
=いかにも自分がハネイになったかのように、バレないように窓から覗き込んだような気分に!
●男の顔は暗くて見えないけど、オペラグラスで“小指が無い”という特徴的なところは見える
=いかにも自分がオペラグラスを持って覗いているかのような視点のまま、男の動きを追う!
(これは現代に普通にある手法ですが、1935年の映画でも表現されているということに驚きました。ここが基礎?)
このあたりのシーンが印象に残っています。
まとめ
かくまう、逃げる、疑われそうになる、助けられる、厄介な人に出会う(これは逆に幸運?)…など、
サスペンス映画の要素が詰まりに詰まっています!
「この映画を隅から隅までみれば、サスペンスの基礎を勉強できる」と言っても過言ではないんじゃないかな🤔
邦題がなぜ三十九「夜」なのかは疑問が残りますが…😅、ヒッチコック作品の中でも特に好きな映画の1つになりそうです☆
作品詳細
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原作:ジョン・バカン『三十九階段』
原題:The 39 Steps
1935年の作品(日本公開は1936年)
監督…アルフレッド・ヒッチコック
脚本… チャールズ・ベネット、アルマ・レヴィル、イアン・ヘイ
●リチャード・ハネイ(カナダ帰りの外交官)…ロバート・ドーナット
●パメラ(ハネイが電車の中で出会った女性)…マデリーン・キャロル
●アナベラ・スミス(劇場でハネイに助けを求めた女性)ルーシー・マンハイム
●ジョーダン教授(地図にあった「アル・ナ・シェラ」に住む人物)…ゴッドフリー・タール
…他。
予告編
↑『三十九夜』予告編 (PDTheatreCh You Tubeチャンネルより)
読んでいただきありがとうございました。