『ヤング・アダルト・ニューヨーク』レビュー│多面的なのにごちゃごちゃせず、幅広い年齢層が共感できる映画

こんにちは☆lenoreです!
今回は映画『ヤング・アダルト・ニューヨーク』について書こうと思います。
観る前は「結婚してある程度経った夫婦が、若者夫婦を見て自分たちのことを見つめ直す話…かな?」と予想していたんですが、
実際に観てみると、どの年齢層にもどこかが必ず刺さるお話だと感じました。
多面的
この映画について、どんな映画か一言で説明するのは難しいです。
というのも…
●40代になった夫婦が今後の人生や夫婦仲を見つめ直す映画でもあり
●同じくアラフォーの私からすると「若いうちはね…」と感じる映画でもあり
●子どもをもつか否かそれぞれの夫婦の考え方を描いた映画でもあり
●「うまく世の中を渡っていけないな」と感じた人が共感する映画でもあり
●「真の友人とは?」を問う映画でもあり
●記録映画の撮影手法・その捉え方の違いを描いた映画でもある
こんな感じでいろんな要素が詰まっているんです。
なのに全くごちゃごちゃしていない!そして面白い!
ノア・バームバック監督の他作品『フランシス・ハ』や『マリッジ・ストーリー』を観た時に
「細やかな感情の動きの表現が素晴らしいな」と思ったのですが、
この作品でも、細部に手が行き届いていて表現の幅が広いなと感じました。
主人公ジョシュ役がベン・スティラーだったというのも面白さが増したポイントでもありますし
ジョシュの妻コーネリア役のナオミ・ワッツもかなり弾けていたので、そこがまた良かったなと思います。
演出か、偶然の真実か?【この段落以後、内容について言及があります】
ジェイミーとジョシュ、それぞれの手法
いくつもの面をもったこの映画。
私は、主に「記録映画の手法を問う映画」として鑑賞した気がします。
アダム・ドライバーが演じた若手監督ジェイミーの手法。
高校の同級生ケントがフェイスブックを通じて連絡してきて、ジェイミーたちがケントの家に突撃する…
しかしそれは突然の連絡でも訪問でもなんでもなく、実は前もってお願いしておいた突然“風”の訪問。
「その訪問の経緯は嘘だ!」と攻めようにも、ケントがアフガニスタンからの帰還兵だということは真実。
そういう手法なんだ=演出なんだと定義すれば、分からなくはない…🤔
一方、生真面目に真実を全て伝えようとしている熟年監督ジョシュは、
何年経っても自分の記録映画を完成させられない。
削っても充分伝えられるということを、
著名な映画監督であり、仲があまり良くない義父・ブライトバートの手前、なかなか認められない。
ブライトバードに指摘されることが図星だから。
真面目にそのまま伝えようとするにも、映画が長すぎてなかなか完成しない。でもそれでは意味がない…🤔
「映画監督」ではなく、「友人」や「夫」なら…
私個人としては、根本の真実を捻じ曲げたりしない限り、
ジェイミーのように「記録映画の手法としてある程度の演出をすることはありっちゃあり」というスタンスです。
ただ、映画をつくっていく上での周りの人との接し方や振る舞いを考慮に入れて
「ジェイミーかジョシュか、どちらを友人or夫にしたいですか?」と聞かれたら…
間違いなくジョシュを選ぶと思います!
ジェイミーは人としてあまり信用できない笑!すぐ裏切ってきそう💦
この辺りがまた人間らしいというか、人間あるあるというか…
妙にリアルな部分を表現できていてすごいなと感じました。
まとめ
この映画が伝えたいこと。
原題『While We’re Young(私たちが若いうちは)』の通り、
●歳を重ねると、若いからこそ出来ていたことや若さゆえの行動が、どんなに無謀なものだとしてもキラキラと見えてくる…かもよ?
ということなのかなと思いますし、
●でもそのキラキラは若いうちのもので、個々人の生き方・歳を重ねて自然に出来ていくスタイルを大事にすれば良いんじゃない?
ということなのかなと思いました。
結婚を考えている方、結婚して少し経った方、結婚してかなり経った方、
映画監督のように何かを創り出す仕事についている方、
目上の人との付き合い方・年下の人との付き合い方など、人間関係に悩んでいる方、
幅広い層の方におすすめしたい映画です!
作品詳細
原題: 『While We’re Young』
2014年の作品(日本公開は2016年)
監督/脚本…ノア・バームバック
●ジョシュ(ベン・スティラー)…映画監督
●コーネリア(ナオミ・ワッツ)…ジョシュの妻
●ジェイミー(アダム・ドライバー)…ジョシュに憧れる若手映画監督
●ダービー(アマンダ・サイフリッド)…ジェイミーの妻
…他。
(参照:映画.com )
予告編
↑映画『ヤング・アダルト・ニューヨーク』予告編 ( moviecollectionjp 公式YouTubeチャンネルより)
読んでいただき、ありがとうございました🎥