映画『ゲーム』展開が早くて面白かったが…最後がどうも…

●洋画(主にアメリカ),ゲーム

マイケル・ダグラス主演 映画 ゲーム レビュー

こんにちは!lenoreです。

今回はマイケル・ダグラス主演の映画『ゲーム』について書いていきます。

 

デヴィッド・フィンチャー監督の作品を最近観ていなかったなと思い、お気に入りに入れていたこの作品を鑑賞🎥

私が結構好きな「主人公が何かよくわからないものに追いかけられる系」だし、

アクションも割と派手だし、息つく暇もなく進む展開がとても面白かったんですが…

ちょっと最後が腑に落ちないというか納得いかないというか…疑問が残る感じでした🤔🤔



ダメ押しになった「レストランのメモ」
【この段落以後、内容について言及があります】

“テスト"を受ける前から…

主人公のニコラスは、自身の誕生日当日、レストランで一緒に会食した弟コンラッドから

CRSという"娯楽サービス"会社の招待状をプレゼントとしてもらいます。

 

一体何の会社なのか尋ねられても、「招待状の電話番号に電話してみて」とだけ答えるコンラッド。

具体的なことは一切言わず「俺はそこで最高の体験をした」「人生が楽しくなるよ」…。

私、一瞬「え?宗教かなにかの勧誘?笑」と思っちゃいました😂

 

でもよく考えると、この超超序盤から本当の意味の"大規模な勧誘"が始まっていたんですよね。

 

●めちゃくちゃCRS勧めてくる弟。でも何も説明してくれない。
→ そりゃ気になるよね?

●帰宅後家に1人きりの時に元妻から誕生日祝いの電話。父が自死した年齢と同じ年齢になったことをやんわりと心配される。
→そりゃ感傷にひたるよね?

●翌日仕事で行ったビル。偶然にもそのビルにCRSが入っていた。
→ 誕生日も明け人生に疲れた気分の時に、こんな偶然にそこにあったら…行くよね?※この時に初めて申し込み&テスト

●仕事後に行ったスポーツクラブの更衣室でCRSについて会話する人たち。
→タイムリーすぎてそりゃCRSのこと尋ねるよね?

…こんな感じで、実際に申し込む前から既に"勧誘"が始まっていたんだなと、もう1回観返してみて気づきました。



“不合格"からの…

そして極めつけに来たのが、テストの不合格通知

惹きつけるだけ惹きつけて、何でもないような長い長いテストを受けさせて、不合格で1回突き放す。

あざといなというか…いやらしいなというか…狡猾だなと感じました🤔

 

そして帰宅後に待ち受けていた意味深なピエロ…。

上げて上げて落とされて、そこに自死したニコラスのお父さんを思い起こさせるようなピエロって、

もう「やるよ!やってやろうじゃないか怒!」ってなっちゃいますよね、そりゃ😓

ちょっとやり方が意地悪だし、トラウマに近いことを思い出させるのは普通に悪趣味だなと思いました

 

「彼女を逃すな」

ここまでは “ニコラスをゲームをやる気にさせた" の段階で、

ダメ押し=どっぷりのめり込ませるきっかけになったのは、

レストランでウェイターから渡された「彼女を逃がすな」のメモなのかなと思います。

 

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自分の仕事に不利益を与えた仕事相手に"三行半"を突きつけにわざわざ飛行機で出向いたのに、

肝心の"三行半"の書類が入った鞄がなぜか開かない。CRSの鍵で試したけどやっぱり開かない。

わざわざ出向いて辞めさせてやろうとした面目が立たず、気分はムシャクシャ。

 

夜はコンラッドとレストランで待ち合わせしていたが、なかなか来ない。

しびれを切らして席を立とうとしたら、以前少し"やり取り"があった同じ店員さんに、飲み物を服にぶちまけられる。

“アクシデント"ではあったが、上司に悪態をついたその店員さんはその場で解雇されてしまう。

(仕事相手を辞めさせに飛行機で出向いたのに失敗して散々な目にあったニコラスが、"アクシデント"で第三者の他人を辞めさせる結果に)

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ニコラスは、投資の仕事面ではかなりやり手で「必要ない人付き合いはいらない!」という感じの人ですが、

本来の性格はとっても優しい人なんじゃないかなと思うんですよね🤔✨

 

自分の誕生日が終わるギリギリに電話をくれた元妻への対応も、口ではいろいろ言いながら嬉しそうだったし(素直じゃない感じ?)…

路上でいきなり倒れた人も無視はしなかったし…

CRSに家に不法侵入されて落書きだらけにされた時も、隣に住むメイドさんの安否をすぐに確認しに行ってたし…。

 

こういう性格のニコラスが、"アクシデント"ではあるけれども、

自分と関わったことで辞めさせられた女性を気にかけない訳がないと思うんです。

 

それに、よく分からない「事象」やよく分からない「モノ」に出会い、

踏んだり蹴ったりの一日を送った人が、初めて「人」関連で糸口を見つけられるかも!となれば、

そりゃあ追いかけますよ…うーん…🤔🤔CRSセコいなー笑。



テンポの良さが素晴らしい!ただ…

予測不能なことが次々と

ここまで「いかにCRSのやり方がセコいか」みたいなことをつらつらと書いてしまいましたが😂、

この後の展開が本当に面白かったです。

 

訳が分からないことが次々と起こるんですが、その相手は誰か分かっている(CRS)という不思議な状況。

元を正せば、自分からテストを受け申し込んだ結果。

でも流石にメキシコの墓地で目が覚めるってどんだけよ!やりすぎでしょ!笑という怒涛の展開。

予測不能なことが次々起こるので、ハラハラして目が釘付けになりました🎥

 

ただ…!最後が…!

「さあ復讐だ!」と言わんばかりにCRSに殴り込んだニコラスが知った衝撃の事実は、

全ては弟コンラッドがCRSに依頼して仕込んだ"壮大な誕生日プレゼント"だったということ。

最後は兄弟抱き合って肩ポンポンしてましたが…正直私は「えぇぇぇ…😐」でした。

 

コンラッドが依頼したことって、言ってみればとてつもなく規模が大きいフラッシュモブみたいなことだと思うんです。

んで、フラッシュモブって大体がサプライズ的に誰かを喜ばせたり魅了するため為にやることですよね?(プロポーズとかダンス披露とか)

 

でも、ニコラスが"CRSのおかげで"経験できたことって、

どっちかって言うと2度と経験したくないことではないですかね?

最終的には自発的にビルから飛び降りるまでしているくらいですし…💦

(自死した父親と同じ年齢になった兄のことが本当に心配で、人生が変わるような経験を兄にしてほしくて、純粋に弟が兄のためにやったこと、みたいなことなのかな…?うーん…)

 

なので最後「いろんな事情があって噛み合わなかった兄弟でしたが、絆が出来ました✨」という雰囲気で

なんとなく美談っぽくして終わっているところが、私は腑に落ちなかったです🤔🤔



“ゲーム"は終わった?

全ての出来事の理由が分かり、最後は皆で会食して和気あいあいと過ごしていましたが…

ふと思ったのが「これってどこで"ゲーム"終わりなの?」ということ。

 

CRSの人から"壮大な誕生日プレゼント"の請求書らしきものを渡され、

あまりの額に落胆しているコンラッドに対し、ニコラスが「半分持とうか?」と言うシーンがあったので、

コンラッドとCRSとの契約はここで成り立っている=一応終了なのかなと推察。

 

ではニコラスとCRSとの契約はどうなったのか?

満足できれば支払い発生、でも満足できなければ支払わなくても良い=タダの契約。

エンディングのニコラスの様子から察するに、満足しているように見えるので多分支払いがあるはず。

でもその辺りの描写はない(もしかして実は本当にスイスの資産抑えられてる??)

 

というか…そもそもコンラッドとCRSの契約は本当にあったのか?

「コンラッドがCRSと契約して計画した誕生日プレゼントでしたー!という体」の、

ニコラスの"ゲーム"はまだ続いているの…かも??などといろいろ考えてしまいます🤔🤔🤔



まとめ

どこまでが本当で、どこまでが嘘なのか。

どこまでが自然な行動で、どこまでが演技なのか。

私がニコラスなら、最後に種明かしされて事情がわかっても、

周りの人と以前のように接することが出来るかと言われたら、ちょっと難しい気がします💦

 

でもCRSの存在が本当なら、彼らの介入が無ければ、

ニコラスとコンラッドの兄弟仲は微妙な状態のままだっただろうと思いますし、

ニコラス本人のとっつきづらい感じの性格もそのままだったのかなとも…。

 

でもでも…笑、CRSがやってることってちょっとやりすぎだし…うーん…🤔

 

「CRSみたいな会社に介入されないとどうにもできなくなる前に、普段から家族・仕事仲間・友達…周りの人をもっと大事に、そして人生をもっと楽しく生きようね」

みたいなことなのかなぁ…😂😂難しい!

 

アクションやハラハラする展開は本当に面白かったです!

 

作品概要

原題:『The Game』

監督…デヴィッド・フィンチャー
脚本…ジョン・ブランカトー、マイケル・フェリス

●ニコラス・ヴァン・オートン(マイケル・ダグラス)…投資家の男性。
●コンラッド・ヴァン・オートン(ショーン・ペン)…ニコラスの弟。ニコラスにCRSを紹介する。
●クリスティーン( デボラ・カーラ・アンガー)…レストランの店員。
…他。

(参考: 映画.com

 

読んでいただきありがとうございました🎥