映画『フォーリング・ダウン』いきなりキレたというより、ずっと火種がくすぶっていた人の話
こんにちは☆lenoreです。
今日は、マイケル・ダグラスがキレまくる話だと知ってずっと気になっていた
映画『フォーリング・ダウン』について書こうと思います。
パニックアクションとかサスペンスのジャンル分けにされていましたが、
実際に観てみると「これは…ほぼホラーだな😨」と感じました…怖かった!
多少気持ちは分かる…でもそこまでやったらだめ!
映画冒頭から、主人公ウィリアム・フォスターは災難に見舞われます。
●道路工事による大渋滞に巻き込まれ…
●暑いのに車のエアコンも窓も壊れ…
●窓が開かない車内でハエがブンブン飛び回り…
●周りの車の人の声・じっと見てくる子供の目・チラチラ光る工事渋滞の看板までもが気になって気になって、しまいには息苦しくなり…
↓
耐えられずに車をその場に置いたまま歩いて立ち去ってしまう…!
気持ちは分からなくは無いけど…🤔
百歩譲って、車については後で警察に出向いて、体調が悪くなったとか事情を説明とかしていれば、
まだ?多少?良かったんでしょうけど…
車放置直後に立ち寄った韓国人経営者のお店 ~ 映画ラストまでのキレっぷりは
「そこまでやったら本当にだめなやつ!」のオンパレードでした💦
隠しきれていない自己愛
いろんな人を巻き込みながら進んでいくフォスターを見ていて私が気になったのが
「私を泥棒だと思っているのか?」
「私が君たちを傷つけるとでも思っているのか?」
「私が悪人だって?」
…などの「私を◯◯だと思っているのか?そんなわけないだろう?」系のフォスターの言葉でした。
この言葉を言われた側からしたら、
正直「えぇ…そう思ってます…というか、そうとしか見えませんよ?」という感じだと思うんですが、
これまさにフォスター自身に悪いことをしているという自覚が全く無いことの表れなんですよね。
非の割合が【フォスター4:こちら6】くらいで「フォスターもそこそこ悪いよね🙄?」という内容でも、
生真面目に、理路整然と、自分なりの考え方を話すフォスターの性格も相まって、
非の割合が【フォスター0:こちら10】であるかのように振る舞われ、
そこにナイフとか銃とか暴力的なものも入るので、より従わざるを得なくなってしまう…。
映画後半、フォスターが昔の家族の姿を映したビデオを観るシーンがありますが(娘アデルの誕生日の様子)、
そこに映し出される元妻エリザベスの凍った表情が全てを物語っているのかなと思います。
主役はアデルなのに…。
うーん…やっぱり渋滞がきっかけなのは確かなんだろうけれど、火種は昔からずっとあったんだよな…🤔
まとめ
自己愛は、良い方向にいけば自分を高めたり周りに良い影響を与えられるのかも知れませんが、
結果的にフォスターの場合は、助け=医療的な関わりが必要だったのではないかと感じます。
相手にも非があった件も実際あるのはあるけど、
元々あった差別意識や社会全体への不満まで、特定の個人に向けてしまっていたからなぁ…。
ラストシーンの桟橋にて。
一度は愛し合い結婚した女性・エリザベスが言ってくれた
「お願い聞いて、こんなことやめて。あなたの心は病んでるわ」という言葉。
この言葉に耳を傾けられるような、
過剰な自己愛に自分で「あれ?」と気付けるような心の余白が
ほんの少しでもフォスターに残っていたら…と思ってしまいました。
でも難しいよな…🤔😓自分と家族のことでいっぱいいっぱいだったんだろうな。
観ていて怖くなってくるほどのキレっぷりが目立つ映画ですが、
特にラストで、ちょっと悲しくて切なくなるのも心に残る映画でした。
作品詳細
原題:『Falling Down』
1993年の作品
監督…ジョエル・シュマッカー
脚本…エブ・ロー・スミス
●ウィリアム・フォスター(マイケル・ダグラス)…キレる“白シャツにネクタイの男”。
●プレンダガスト(ロバート・デュヴァル)…退職間近の巡査部長。“白シャツにネクタイの男”を追う。
●エリザベス(バーバラ・ハーシー)…フォスターの元妻。
●アデル(ジョーイ・ホープ・シンガー)…フォスターとエリザベスの娘。
●サンドラ(レイチェル・ティコティン)…プレンダガストの同僚刑事。プレンダガストを慕っている。
…他。
(参考:映画.com )
予告編
↑映画『フォーリング・ダウン』予告編 英語版 (Warner Bros. You Tube 公式チャンネルより)
読んでいただきありがとうございました🎥