Netflix韓国ドラマ『イカゲーム シーズン1』いびつな平等と人間の生き様

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こんにちは☆lenoreです。

今回は、2021年Netflix新ドラマ視聴世帯数最高記録を樹立した(参照:映画.com

Netflixオリジナルドラマ『イカゲーム シーズン1』について書こうと思います。

 

話題になっているのを知って以来ずっと観たい観たいと思っていて鑑賞したこのドラマ。

話数がいくつかあるドラマを観続けるのが苦手な私でも一気に観ることができた作品で、

内容的にそう言っていいのか分からないけど…ものすごく面白かったです!



とことん、徹底的に、リアル
【この段落以後、内容について記述があります】

韓国の作品に共通して感じる感覚

韓国の映画やドラマを観た後にいつも感じるのがとことん徹底的でリアルで良いな!ということ。

容赦ないとか手を抜かない 本気 って言葉も近いです。

その感覚は作品全体に通じていて、脚本や設定、俳優さんたちの演技まで、全てがリアルなんです。

今回鑑賞した『イカゲーム』でも「あぁやっぱり韓国の作品のこの感じ、好きだな」と感じることができました。

 

“リアルさ” の比較

そして、どうしてもそうならせざるを得なかったのが…最近の日本の作品との比較

日本のドラマって“予定調和”というか…

“ドラマだからここは何とかなっちゃうんだろうな”的な部分を感じてしまうことが多い気がするんですよね…🤔

(多い…かなと感じただけで、全てがそうじゃないと思っています!)

 

『イカゲーム』内で、特にリアルさを感じたのは、

「年上の男性俳優さんが若い女性俳優さんの髪の毛を引っ張ってどつきまわすなんて、多分日本のドラマ・特に地上波のドラマでは絶対やらないだろうな…」
(映画ならたまに見かけるけど、そもそも作品自体が任侠っぽかったり色っぽいシーンが多い作品に偏りがちな気がして、『イカゲーム』のような人間ドラマ要素も合わせた作品ではあまり無いように思う。でも現実ではチャン・ドクスとカン・セビョクのように年が離れていても、“同じタイプの仕事”をする相手同士なら対立や抗争は起きうると思うので、『イカゲーム』でのあのどつきあいはあり得る=リアルさを感じる)

「おぉ…海の死体にちゃんとカニが群がっててしかも顔が大変な状態になってるわ。日本のドラマの死体はもう少しきれいだよな…」
(↑ここ以外にも、1番目のゲーム「ムグンファコッチピオッスムニダ/だるまさんがころんだ」のゲームシーンで、銃撃された人が倒れていく様は本当に痛そうな演技だしカメラの動きが銃の怖さを感じさせるしで、こちらまでジッとしたくなった。日本のドラマだと…表面にじわっと血がにじむだけのが多いかな…)

「このシーン、日本ならそもそも出ない・無さそうなシーンだな…」
(臓器を取り出すシーン、目玉が…のシーン、セビョクが負傷したお腹に布を巻くシーン、最終ゲーム「イカゲーム」にてチョ・サンウが自分で自分の首を刺すシーン、など)

…など観ている側がこれはドラマだということを忘れてのめり込めるほど本格的なシーンが多かったです。

 

ほっこりもある

これらのシーンとは対象的に、

ソン・ギフンとその娘ソン・ガヨンがトッポッキ屋さんで一緒にご飯を食べるシーンや、

チョ・サンウとアリ・アブドゥルがコンビニで会話するシーンなど、

少しほんわか出来るところもあるので、全部が重くなりすぎずとても良いバランスがとれているなと感じました。

 

ソン・ギフンを演じられたイ・ジョンジェさんの笑顔良かったな🤭



いびつな平等

ゲームを始めた理由

最終話にて、「001」のジャージを着て楽しそうにゲームに参加していたおじいちゃん、

オ・イルナムがすべての首謀者であることが分かりました。

 

ラストの病室のシーンにて。

残虐なゲームを始めた理由を尋ねるソン・ギフンに対してイルナムが答えたのは、

「無邪気に遊んでいた子どもの頃のような楽しみが無くなったから、

脳腫瘍で死ぬ前にもう一度楽しみを感じたかった」というものでした😐

(この言葉を聞いた時「でもわしは強要はしていない。君も自分の意思で参加したし戻っただろ?」とか言いそうと思ったら、ホントに言ったのでちょっとビックリ💦)

 

いびつさは他でも…

この何とも言えず噛み合わないいびつな感覚

他のどこかでも感じたな…と思い返してみたところ、

【ゲーム参加者 ↔ ◯△▢の人たちやフロントマンとのやりとり】

これらがほぼ全部同じ感じだということに気が付きました。

 

特に第6話『カンブ』にて、一部の◯△▢の人たちとゲーム参加者の元医師の男性が階段の上で“私刑”にされていたシーン
(ゲームで亡くなった人の臓器を売ってお金を稼ごうとした一部の◯△▢の人たちが元医師の男性を利用して死体から臓器を傷なく取り出す行為を秘密裏に行っていたが、それがフロントマンにバレてしまった)

 

ゲーム参加者たちが唖然として上を見上げている中、

「皆平等でルールがあり、チャンスも公平に授かるべきこのこのゲーム内で、私腹のためにそれを破った人たちがいました。こんなことになってすみません、心からお詫びいたします」

…的なアナウンスが会場内に響き渡るんですが…

 

THE・そこじゃなくね😮😑🙄?

「謝るのそこじゃないっしょ!」って、思わずツッコミいれちゃいました😂💦



まだまだ謎が多い

これらのいびつな感覚は、

●ギフンたちゲーム参加者は、確かにお金に困っていた
●多数決で一旦ゲームは中断になったが、自分の意思で皆ゲームに戻ってきた
●賞金がどれくらいになるのか説明され、実際に見て、念書にもサインした

でも、

「脱落したら即死」なんて聞いてなくない?
ダメでもまたやり直す権利=頑張って生きていく権利を最初から剥奪されてるなんて全然平等じゃなくない?
ここがギフンもやりきれないよね🤔

 

●そもそも倫理観が欠落しているのでなんとも言えないが、VIPの存在からゲームそのものに需要があるのは一応分かった
●フロントマンは中間管理職のような立場だというのも一応分かった
●◯△▢の人たちは、それぞれの役割がしっかり分かれていて統率された動きをしているので、集団そのもののヒエラルキーがしっかりしているんだというのも一応分かった

でも、

◯△▢の人たちの環境って、自分の部屋も狭いし賞金も無いし、ただただ人を撃って火葬して…結構劣悪じゃない?
それでもあそこに居るのは彼らも弱みを握られてる?
そしてファン・ジュノの兄ファン・イノは、過去に優勝し賞金を手にしたにも関わらず、なぜフロントマンをしている?

 

などなど、

ゲーム自体に関してのそもそもの疑問や、
再び名刺の電話番号にTELしたギフンの今後
そしてオ・イルナムが死去したにも関わらず続いているイカゲーム運営の実態

先のいろんなことを考え始めるきっかけにもなりました🤔🤔

 

んーまだまだ謎が多い!



まとめ

私の母は小さい頃から私に「親でも信じるな(信じられるのは自分だけ)」とよく言っていて、

深作欣二監督の映画『バトルロワイアル』を観に連れて行ってくれたような人なんですが(←すごい親😂)

 

このドラマを観ているとなんとなくその母の言葉を思い出すというか…

分かるともまた違うんだけど…まさに「チョンシンチャリョ/しっかりしろ、自分を持て」的な…

人間の生き様、そして誰を何を信じるのかということを、ものすごく考えさせられた作品でした。

 

私がもしギフンたちと同じ状況になるとしたら、おそらく環境的にジヨンの可能性が高いかなという気がする🤔

でも、彼女と同じ決断をする自信は全く無いな…💦ジヨンすごい!

 

設定が日本のアニメに似ているという話を知った上で鑑賞しましたが、

確かに要素は似ているものの、この『イカゲーム』は完全に独立したひとつの素晴らしい作品だと感じました。

全話観終えてからもう一度始めに戻って観てみるといろんな気付きがあって面白かったです🙂

(ギフンが競馬で勝った金額とか!!)

 

観れば観るほど先が気になるし、音楽がとてもかっこよくて耳に残るし…

今まで観た韓国ドラマの中でも特に記憶に残るドラマになりました!



作品詳細

原題:『오징어 게임』

2021年の作品。

原作・制作…ファン・ドンヒョク

●ソン・ギフン/456番(イ・ジョンジェ)…ギャンブルで多額の借金を抱える男性。
●チョ・サンウ/218番(パク・ヘス)………投資に失敗し会社のお金を横領したことで警察に追われる男性。ギフンの幼馴染。
●カン・セビョク/067番(チョン・ホヨン)…北朝鮮から脱北した女性。ギフンが競馬で勝ったお金をスリで取った。
●チャン・ドクス/101番(ホ・ソンテ)…ギャングのリーダー的存在の男性。自身の行いが元でギャングから追われる身になった。
●オ・イルナム/001番(オ・ヨンス)…脳腫瘍を患っている高齢の男性。
…他。

(参考:Netflix公式サイト, 映画,com

 

予告編

↑Netflixオリジナル韓国ドラマ『イカゲーム シーズン1』予告編 (Netflix You Tube 公式チャンネルより)

 

読んでいただきありがとうございました🎥